私の問いに優里は当たり前、とでも言うかのように寧々、幸恵、莉音の三人がいる穴へすっと指を差した。
「・・・三人が”タノシイコト”をやってくれるの? おこしてくれるの?」
「違う」
優里は即答する。
”タノシイコト”が何なのか、中々教えてくれない優里に苛立って、私はつい声が荒くなった。
「だから”タノシイコト”って一体何なの!? いい加減教えてくれたって、いいじゃない!」
優里は一瞬驚いたように目を見開いたが、やがて宥めるように言った。
「・・・まぁまぁ。すぐにわかるから、大人しく見てて」
視線を私から三人へと戻す。
私も視線を優里から三人に戻し、大人しく見ることにした。
私と優里の間に沈黙が流れる。
耳に入ってくるのは周りの騒がしい声。楽しそうな声。はしゃぐ声。その大半を占めるは、あの三人の声だった。

