だが嘘を吐くには理由があるはずだ。結局、私と二人きりになって話がしたかったのだという考えに落ち着いた時、優里が理由を言った。
「もうすぐ”タノシイコト”がおこるから」
まただ……。”タノシイコト”。
私をプールに誘った時にも、不気味な笑みを浮かべながら言っていた。
「ねぇ……。その”タノシイコト”って何……?」
「・・・”タノシイコト”は”タノシイコト”だよ……?」
くっくっくっ、と優里は再び不気味に笑う。
・・・もう。何なの……?
私は座り、足をプールの中に入れた。
すると、優里が肩に手を置いてきて、私はびくっと驚く。
「立ってたほうがいいよ。”タノシイコト”がよく見えるから」
笑う優里に仕方なく従い、私は立った。
”タノシイコト”が何のことなのか、知りたかったから。
「どこで”タノシイコト”がおこるの?」

