「りょーかい」
三人は水が吸い込まれていく穴へと行って、キャーキャーと騒ぎ出した。
「優子、トイレ着いて来てくれる?」
優里はプールからあがり、立ち上がった。
「うん、いいよ」
ここで一人待ってても暇なだけだ。
私もプールからあがり、立ち上る。
”お手洗い”という看板があって、すぐに場所はわかった。私はそこへ行こうとする。だが、肝心の優里は
「やだー、吸い込まれちゃうかもー」
そんなことを言いながら、相変わらずキャッキャッと五月蝿くはしゃいでいる幸恵、寧々、莉音の三人をみつめていて、全然動こうとはしなかった。
「・・・優里? トイレ、あっちだよ。行かないの?」
幸恵と寧々が莉音にしたように、私は優里の腕を引っ張る。
「あぁ、うん、ごめん、トイレ行くのは嘘だから」
優里は申し訳ないと思っていないような表情で、くすり笑いそう告げた。
「え……!?」
そんなくだらない嘘を吐く理由が全く理解できず、私は驚いた……。

