「う、うん……きっと、大丈夫だよね……」
莉音はまだ不安げにしながらそんなことを呟き、二人に引っ張られるままだった。
「あ、二人は行かないの?」
寧々が気付いたようにに振り向く。
今更……? という感じで、私は適当な理由をつけて断ることにした。
「私はやめとくね。流れが速くて、そっちに渡れそうにないから……」
実際、私はここに立ち止まっているだけでも流されそうで大変だった。踏ん張っているつま先が痛い。
「ふぅん。そっか」
莉音のように私を引っ張って行けば可能だったが、寧々と幸恵はわざわざそんなことをしようともせず、ただ理解したように頷いただけだった。
「ゆーりは?」
「ウチもやめとく。ちょっとトイレ行きたいから」

