呪 い サ イ ト


 遊具の上に取り付けられていて、バケツの中に少しずつ水が入れられていく。そしてそれが満杯になると、そのバケツが引っ繰り返り、中の水が客のいる下へとぶちまけられるシステムとなっているのだ。
 その水を浴びたいがために、バケツの下で待っている人達がいて、流れるプールなのに渋滞がおこっている。非常に通りにくかった。

 それから、誰が一番速く泳げるかを競争したり、潜水して足を掴んでみたり……色々と遊びながら泳いでいる内に、早くも三周回った。
 今は壁に沿って泳いでいる。

 そんな時、幸恵が向かい側の壁に指を差しながら言った。


「そういえばね、さっき通った時に気付いたんだけど……あっちに水が吸い込まれていく穴があったわよ! 面白そうだから行ってみない?」


「え……危なくないかな……?」


 と、心配性の莉音。
 不安そうな表情を浮かべていた。


「えー、大丈夫でしょー! 超面白そう! 行ってみよ?」


「でしょでしょ。行こうよ!」


 寧々は莉音の不安を吹き飛ばすように、元気よく笑った。
 幸恵と寧々は莉音の腕をぐいぐい引っ張っていく。

 ・・・本当は、莉音は間違ってなかったんだ。まさか、あんなことが起きるなんて……。