「わー! いたぁーい!」
”洞窟”の入り口にある滝の水で強く叩きつけられ、騒ぎ出す。
私のゴーグルがずれた。手が濡れていたため、付け直そうとしたらゴーグルを底へと落としてしまった。
このプールの底は深い。
身長百四十五センチの小さめの私が立つと、水は肩が浸かるぐらいまである。だからゴーグルを落としたとなると大変だ。ゴーグルをつけずに水面に顔をつけなければ、とることはできないはず……。だが、手を伸ばすの安易にゴーグルは取ることができた。
「あ……ここって浅いんだね」
私の腰辺りぐらいまでしか水はなかった。
「ゆっこ、行くわよぅ! 水がーぎゃー!」
寧々が騒ぎだしたと思ったら、上からミストが激しく降ってきた。
出口付近は更に水の流れが速くなっていた。
「・・・何あれ!?」
”洞窟”から出るとあまりプールには来ないような、優里が天井近くへと指を差して言った。その先には―――大きなバケツ。

