―――本当に真里と梓を殺していいの?

 そんな考えが頭を過った。

 真里はウチの親友よ……? 今思えばだけど、梓もずっと一緒にいてくれてよかったと思う……。


「……もう、今さら何よ……!」


 ウチってば本当に駄目だ。自分の甘さを痛感させられる。いつもいつも……そうだった。いざとなると躊躇ってしまう。実行の寸前に躊躇して、結局は誰も傷つけることができない……。
 ウチはそんな弱虫だ。


「―――でも。今回は違うわ……!」


 二人はウチを裏切ったんだから。絶対に許せない。

 特に真里は裏切りは酷すぎる。梓はまだマシだったから、死に方もマシにしてある。元々梓は呪いサイトに書き込む予定はなかったけど……殺るなら完璧にしたい。梓も呪いサイトのことを、誰かに話すかもしれないという可能性があるのだ。このことは闇に葬りたい。誰にも知られたくはない。

 けど、梓はやっぱり元々好きではなかった。鬱陶しかった。一石二鳥というところかな……?

 躊躇いは全て捨てた。代わりに笑みが生まれてくる。


「送信!」


 そう言って、送信ボタンを押した。