翌日。

 いつも元気で明るい真里は、なんだか暗く重い表情を浮かべていた。口数も少ない。


「真里、トイレ行きましょー」


 どうして元気がないかの、理由を聞きたかった。

 ……もしかして……昨日のウチの話のせい……?

 それをはっきりと確かめたかった。


「あ、ごめん……。ちょっと梓に話したいことがあって……」


 真里は気まずそうに言葉を濁した。梓に話なんて珍しい。ウチは訝しみ、


「ふぅん。そっか、ならいいわ」


 と疑いの眼差しを向けた。
 それから逃げるように真里は梓を連れて、人気のない場所へと歩いて行った。


「こそこそしちゃって、何よ……?」


 気になったウチは、こっそり二人のあとを着けることにした。