いつも人気がない、あの階段に着いた。辺りを見回すが、優里は見当たらなかった。
 まだ来ていないのか、と思った瞬間、


「いてるよ」


 という聞き慣れた優里の声が背後からかかった。
 思わずビクッと体をはねさせた私は振り返る。

 私の心を読んだかのような発言だった。やはり呪いサイトに―――という考えが脳裏に浮かんでゾッとした。


「見回してたけど、ウチのほうは見てなかったから。ウチのこと気付かなかった? 先に来てたんだよ」


 また私の心を読んだかのような発言だったが、私の行動を見たための発言だったようで、安心してホッと胸を撫で下ろした。


「で、いつになったら鮮血が好きなことを認めてくれんの?」


 単刀直入な優里の言葉に、撫で下ろした胸がすぐにあがった。緊張で全身が強張る。


「認めてくれたら協力できるのになぁ」


「何の協力?」