翌日。

 本当は行きたくないはずの学校だったが、なんだか足取りは軽かった。
 あんなサイト本当なわけがない、とわかっていても……心の端で”本当だったらいいのに”と思っていた。本当だったら、谷村はいなくなる。

 谷村なんて死んでしまえ!

 教室のドアを開けた。一番最初に視界に入ったのは――

 高井に寄り添っている谷村だった。

 谷村と高井は腕を絡ませている。やっぱり二人は、付き合ってるんだ……。
 ウチは現実を拒絶するように、開けたドアを閉めて後ずさった。


「やっぱりあのサイト、嘘なのかな」


 谷村はぴんぴんしている。〔学校の前で〕と書き込んだため、死ぬとしたら登下校時のはずだ。


「まぁ、まだ望みはあるわよね」


 下校の時に死ぬのかもしれないし、ウチは放課後を待つことにした。
 それに……死ぬのは今日ではないのかもしれない。結局、谷村が死ぬのはあと何十年後、寿命で……なんていう可能性もある。
 あんな呪いサイトなんて、どうせ嘘。望みなんてない……。

 本物であってほしい願いと、どうせ嘘だろうという常識が交差する。

 でも―――まさかあんなことになるなんて。