部屋に入ってから携帯を開くと、
画面の隅に『Eメール1件』と
表示されていた。

優里からのメールだった。

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件名:Re:

本文:ずっと思ってたんだけど、
呪いサイトの正体って何なんだろうね
色々と仕組んで……
人の心まで動かして……!
ホントすごい! 魔法みたい!

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「魔法って……」


非科学的な表現に、私はつい吹き出した。

だが確かに、呪いサイトの正体は気になる。
どうやっているんだろう?
あんな不可能なことを……。
そう考えると、最終的に魔法へと
行き着くのは無理ないのかもしれない。


「必然、か……」


優里の話が脳裏に浮かんだ。
『これは、必然の出来事
だったのかもしれない』
そう言っていた。携帯に夢中になっていて、
優里と私がぶつかり、お互いに相手の携帯
を見てしまった出来事のことだ。

もし……何もかもが仕組まれ、
必然になっている出来事があるとしたら……
偶然だと思っていた出来事さえ、
必然の出来事だったということだ。

あぁ……なんだかややこしいなぁ……。