「えぇーっ!? どうして!?
呪いサイトは書き込んだら、
確実に呪ってくれる優秀サイトだし……
別に書き込んだ人が直接、手を下す
わけでもないし……なんとも思わないよ!
躊躇いだってない。だから優子も、気兼ね
なく使っちゃいなよ! 呪いサイトを!」


優里の話を聞いている内に、
なんだか私が私に戻っていくように感じた。
戻るというより……これが私なんだ、と
本当の私が定着したような感じだ。

今まで私の中には”鬼”がいると思っていた。
だがそれは……”鬼”じゃないと今わかった。
”鬼”ではなく、それが私!
私自身なんだ……!
”鬼”みたいに悪いことを考えるのは、
誰だって当然のこと。優里だってそうだし。
だが勿論、良いことだって考えたりする。
それが人間であって……私なんだ。
呪いサイトを使いたい、っていう
”鬼”のように悪い心だって……
人間として当然! だから私だって同じ!
そう思うと、とても安心できた。
だからこれから、気兼ねなく呪いサイトを
使うことができる。何も気に病むことはない。


「うん、そうする!」


早く呪いサイトに書き込みたくなってきて、
なんだか心がうずうずする。
私は通学鞄を持って立ち上がった。


「色々ありがとね、優里!
それじゃあ……バイバイ! また明日!」


手を勢いよくぶんぶんと振り、
急ぎ足で家に帰る。
もはや走ってしまっていて、
家に着いた頃には息切れと動機が激しかった。