「あぁ~……! 幸恵ってよく、
石神を追いかけてたもんね~!
莉音と一緒に。いつも仲いいし!」
私の憎しみを煽るかのように、
優里は何か……
企みの笑みを浮かべて言う。
そうだ……!
莉音は私の好きな人を知っていたのに!
幸恵と一緒になって、石神を追いかけて!
どうして幸恵を、止めてくれなかったの!?
そうしたら今頃、こんなことには……!
私は憎しみを込めた目で、
莉音をキッと鋭く睨んだ。
自分に向けられていることに、
気付いた莉音は、ビクッと震え、
小さく恐縮した。
罠にかかった、獲物を見るような目で、
優里は私を見て嘲る。
寧々と幸恵は、私を
不思議そうに見ていた。
「・・・優子、どうしたの?」
幸恵に声をかけられ、ハッと我に返った。
「ん……なんでもないよ……」
それを確認すると、幸恵は……

