真っ赤な鮮血がぶわぁっと溢れ出し、一拍遅れてやってきた鈍い痛みと同時に耳を劈くような凄まじい叫び。
「きゃああああああああああっ!!!!」
天井が高い体育館によく残響したのだった。
苦痛で顔を歪める莉音を見て、
「―――こうなる。よく心に刻んでおけあと喋ったりもするな。大人しくしてろ」
そう言ってニヤリと笑った。
こうして今に至る。
つまり、莉音は見本になった訳だ。教師や生徒がその場から動き、近づいてきたらどうなるか。その見本として莉音は撃たれた。
「うぅ……っ! うぁ……!」
莉音は焼けるような熱い痛みを堪えるべく、唇を噛み締め唸った。血は相変わらず溢れて続けている。止まる気配はいっこうにない。
目を覆いたくなるような光景。それなのに……美しく、幻想的に私の瞳には映った。
・・・もしかしたら、ここからだったのかもしれない。
私の運命の歯車が狂ったのは―――。

