「こうなる。よく心に刻んでおけ。あと喋ったりもするな。大人しくしてろ」
犯人はニヤリと笑う。
体育館にいる誰もが驚いた。
舞台裏がざわめき、幕に隠れながらこっそりと興味本位で顔を出す生徒が何人もいた。
「い、一体何があったの……!?」
ほんの数秒の間に何が起こったっていうの……!?
私は優里の問いかけるように呟いた。
残されたのは莉音の唸るような泣き叫び。手で押さえても溢れ出して来る血。
よく見れば足に穴がぽっかりと開いていた。肉や筋肉、骨がちらりを顔を覗かせている。そこから血がごぼごぼと溢れ出して来ていて、足全体が真っ赤に染まった。その下の床も真っ赤に染まっていく。
どうしてこんなことに!?
あの時のことをよく思い出す―――。
「―――もし近づいたら……っ!」
犯人の言葉。そう言いながら銃を莉音の足に向け、引き金を引いた。
すると、
―――バンッ!
という乾いた金属音が響き、銃弾が莉音の脹脛を貫いた。

