呪 い サ イ ト


「・・・ふふ」


 三人の姿を見て、優里は笑いを漏らした。
 実に滑稽な姿で、確かにこれは笑える。私はなんとか堪えたが……。

 私達生徒は今は舞台裏に避難していて、私と優里だけこっそりと三人の様子を見ている。


「―――あれ! 犯人じゃない!?」


 大屋根の下に見えた大きな人影に私は指を差した。
 何か漆黒の物体を手にしている。その人影が犯人ならば、持っているのは銃だろう。

 やがてその人影は近づいてきて……体育館の中へと入ってきた。

 伸びっぱなしの髭と髪、汚れた服。その薄汚い格好は山男を連想させる。
 そして手には小型の銃。犯人ということを示していた。
 銃を持っていては、教師は安易に近づくことができない。武器として手にしているモップが無意味だ。


「・・・おい! 誰もそこから動くな! 先生達もよぉ、それ以上近づくなよ? もし近づいたら……っ!」


 ―――バンッ!

 乾いた金属音が響き、


「きゃああああああああああっ!!!!」


 一拍遅れて耳を劈くような悲鳴が聞こえた。天井が高い体育館によく残響する。