そして”UKH”の後に言う場所は、犯人がいる場所のことで、この場合は多目的室―――

「って、えぇっ!?」


 私は驚きで素っ頓狂な声をあげた。

 体育館と校舎は大きな屋根、通称大屋根によって繋がっている。大屋根のすぐ手前にあり、体育館から一番近いのは多目的室だ。

 そ、それは……つまり……。
 ごくり、と唾を飲み込む。
 大屋根の下を通れば―――犯人は体育館へ容易に来ることができる。
 だ、だから……私達は今、物凄い危険に晒されているということだ。教師もそのことに気付いたようで、


「舞台裏へ避難して!」


 慌ててを指示を出す。壁に立てかけ、乾かしてあった掃除用の大きなモップを手に取り、生徒を守るべく身構える。

 試合は強制的に中止され、私達は体育館の奥にある舞台へ上がった。
 両脇にある幅の狭い、舞台に続く木製の階段が混雑する。取って付けてあるだけの階段のため脆いのか、何度も軋む音がした。