私は先程と同じことを思いながら、一人内心キレていた。

 よくもまあ、平気な顔で白々しいことを言えるものだ。私はもはや呆れ、何も言えなかった。


「ウチら、行かなくてよかったよね」


 ね、優子? そうでしょ? そんな風に優里は私に同意を求めきた。まるでそう言え、、というように凄んでくる。私は少し気圧された。

 一体何を考えてのこと……?

 憤りと疑問を覚えつつも、ここで無視するのも変だと思い、とりあえず仕方なくだが言葉を返す。


「だ、だよね。近づいただけで吸い込まれる穴なんて、普通はあると思わないよね。あれは危険すぎる……!」


 自分で言って自分で気づいた。

 そうだ……スパラダイスにあんな穴がなければ……! あんな穴さえなければ、こんな
ことにはなってなかったはず……!


「スパラダイスの責任だよっ! スパラダイスが悪いんだ……! あんな危険な穴を放っておいて!」


 三人が穴に吸い込まれて、死の寸前まで追いやったのは、私の認識としてはいつのまにかスパラダイスにすり替わっていた。・・・優里ではなく。