「―――あれ? 優里も来てたんだ……?」


 そう―――実は優里も一緒に来ていた。今日もまだ、一切口をきいていない。
 幸恵に言われて、私の後ろで隠れていた優里はきちんと三人の前に姿を現す。その瞬間、優里は三人の様子を見てにやり、と笑った。
 私はその行動に唖然とする。

―――そんなにも嬉しいの? いくら恨んでるとはいえ……!


「うん、来てた。気付かなかった?」


 幸恵はこくん、と頷く。他愛のないごく普通の会話だった。


「・・・にしても、災難だったね」


「は……!?」


 私は思わず声をあげ、優里をキッと睨みつける。

 ”災難だったね”? 優里が……っ! 優里が災難に遭わせたんでしょ!? なんと白々しい!

 だが、優里のそんな言葉は続く。


「まさか穴に近づいただけで吸い込まれるなんて……。全く思いもしなかったよ」


「・・・・・・っ!?」


 ”全く思いもしなかった”? 優里がそうさせたんでしょっ!!