一瞬手を緩めたその隙に私は奴から一歩離れた。 「逃げねぇし隠れねぇ、おまえを見ても他の奴みたいに怖がったりもしないし、変に憧れたりもしねぇ・・・・」 私がそういい終えると里山はびっくりしたように目を見開いた。 あんまりにもアホ面を続けるから、 「んだよ。」 「怖くないの?何で?俺、不良だよ?殴ったり、喧嘩したりすんだよ?」 殴ると喧嘩って同じじゃね!? 「だから何だよ?お前は私に危害を加えないだろ?」 「まぁ、そりゃ・・・・・」