「本当に妊娠してるんですか?」
私は顔を上げて、彼女の目を見てそう言った。
和彦と別れさせる嘘かもしれない……。
「どういうことですか?私が嘘を言って、おっしゃりたいんですか?」
「だって、アナタとはセックスレスだって……和彦が……」
「主人がアナタに何を言ったのか知りませんが、私と主人はセックスレスじゃありませんよ。じゃなきゃ、子供なんて出来ないでしょ?」
彼女はクスッと笑うと、再びお腹を愛おしそうに優しく摩った。
「このことは……和彦は知ってるんですか?」
「いいえ」
彼女はそう言って、紅茶を一口飲んだ。
「知らないんですか?」
「えぇ。昨日、検査薬を使って、妊娠反応が出たんです。病院に行って、ちゃんとしたことがわかってから言おうと思って……」
「じゃー……もしかしたら……」
「間違いありません!」
私の言葉を遮って、彼女が大きな声を出した。



