「パパ、まだかなぁ……」
空港の到着ロビー。
ベンチに座って、パックのオレンジジュースを飲んでいた奏音がそう呟いた。
結婚した今でも久しぶりに海陽に会うと思うと、胸がドキドキする。
「ママ?まだぁ?」
「もう少しだからね」
隣に座る奏音にニッコリ微笑んだ。
「あっ!パパだっ!」
「えっ?」
奏音はオレンジジュースのパックを私に渡すと、椅子から下りて、ゲートの方に走って行った。
「ちょっと!奏音!?」
慌てて奏音の後を追う。
人混みに紛れて小さい奏音の姿を見失ってしまった。
えっ?ちょっ……奏音?
人を掻き分け走る。
奏音?
いない……どうしよう……。
「奏音!奏音!」
奏音の名前を呼ぶけど返事はない。
どうしよう……。
焦る気持ちで周りを見渡した。
その時――。



