「それから……俺が生まれた。
でも、俺が生まれた時も……それからも……父親は日本に帰って来ることはなかったんだ……」
「えっ?」
どうして?
我が子が生まれたのに?
「祖父は離婚しろって母さんに言ったけど、それに応じなかった。
それは父親がいつか俺たちを迎えに来てくれると信じてたから……。
ねぇ?先生?」
「えっ?…………ん、ん?」
星野くんの顔を見る。
「海外に1人で行って、言葉も通じない。愛する人にも会えない……。先生がそうなった場合、先生だったらどう思う?」
私だったら?
「寂しい……かな?」
「普通はそうだよね。寂しい気持ちが強くなると思う。
父親も多分、そうだっと思う。寂しくて寂しく……どうしようもなかったんだと思う……」



