だから今思えば先輩が初恋だったんだよな。 遅いな。やっぱり俺はガキだ。 「せんぱーい」 男を退かすように間に入って先輩の所へ行く。 「じゃあな、加原」 「うん。ありがとう、阿部君」 阿部君? あんな奴の名前なんか呼ぶな・・・。 俺ってこんなに心狭かったっけ? なんか嫌だな。 昔の俺は何処へいったんだろう。 俺はやさぐれないキモチを胸に秘めながら屋上へ先輩と行く。