「キャー!和哉様!!」



煩い…


別にシュートきめただけじゃないの。


それだけの事で何あんな奴にキャーキャー言ってんのよ。



今は体育の時間。

男子はサッカー。
女子はソフトボール。


でも女子の体育の先生が別の先生に呼ばれていないので、皆ソフトボールをさぼって男子のサッカーを見ている。



「優香里(ゆかり)こわ〜い。凄い顔。」



友達の、中居沙弓(なかいさゆ)が言った。



「だって…煩いんだもん。何みんなあんな奴にキャーキャー言ってんのよ。」


「かっこいいじゃん。」



…確かにかっこいいかもしれないけど。
そこは認めてあげるけど。

でもすっごい俺様で自己中な奴じゃない。


だから…



「私は嫌いなの。」



この高校に入学した日、あの入学式の出来事を思い出すだけで腹がたつ。


私は入学式からあいつの印象は最悪だった。