いつも考えては泡のように消えていくこんな思いが今度ばかりはなぜか頭から離れることはなかった。
 ずっとこんな事ばかり考えて自分は病気なのかと考えたりもした。
 僕は生きて何をしたいのか、生きている、の定義が某テレビ局の熱い教師ドラマみたいに夢に向かって努力することだ、などとするなら今の自分は確実に死んでいるだろう。
 いっそのこと死んでしまおうか、なんて考えたりもしてしまう。人は死への欲求みたいなものがあるとか聞いたことがある気がする。聞いたとき、そうでなければ絶叫マシーンにキャーキャー言いながら喜んで乗れないなぁ、と自分なりに納得した。
 もしもそのような欲求があるとするならば、それは今の僕に食欲よりも性欲よりも強く主張している。
 その時、頭によぎったのは幼い頃に行ったことのあるとても綺麗な山林だった。もし神がいるとするならば、きっとあの山林にはいるだろう。
 あの場所へ行こう。というか今の自分は行かなければいかない気すらする。そう思った時、車に乗り込んでいた。
 ハンドルを握る自分が少しワクワクしていたのは何日かぶりの外出だったからだろうか…。