「…あの、」

「あ?」

「シオナって、何をしてる部隊なんですか?」

「……調査活動。」

…だめだ。

やはりこいつにろくな返答は期待しない方がいい。

シオナが独自に小国の調査活動を行っているのは、私だって知っている。

その内容が、謎なのだ。

私は、今回の任務先も、内容も、まだ知らされていなかった。

「現地に着いたら、何を…」
「着いて来ればいい。」

私の話しを遮ると、ブラッドはまた煙草をくわえた。

…諦めよう。

彼には、会話も質問も無意味だ。

(…面白くない人。)

どうしてこんな怪しげな人にぬけぬけと着いてきてしまったのか、自分でも良く分からない。

が、もうこの際だ。

私には身寄りもないし、仕事もない。

金さえもらえれば、それでいい。

改めてそう決心して目を瞑り、私は、ついにその心地良い振動に身を任せたのであった。