*シルヴァ*

…こぽ、こぽ、こぽん、

水の中を、空気の泡の音が泳いで行くのが聞こえる。

私は、温かい水中にいる。

(さぁ、目覚めなさい)

知らない声が聞こえた。

あぁ、分かった。
これは、夢だ……。

ゆっくりと重い瞼を開く。

部屋は暗かったので眩しくはなかったが、久しく浴びた光の刺激に思わず目を細めた。

私は巨大な水槽のようなものの内側にいた。

世界が、水の色に染まっている。

わぁ…と、小さいながらも歓声が上がった。

おめでとうございます!我が同胞達!

今日ついに、科学と自然は、ひとつになりました!

科学と自然が、ひとつに。
頭で反芻すると同時に、酷く悲しい気持ちになった。

ワタシハ、メザメタクナカッタ。

不意に唇から、聞き覚えのない声が零れた。

…え。

なんだ…

この感覚……