「ブラッド!」
暴風が巻き上げる血の霧の中を走ると、光の女神グレスティアは俺の腕を取った。
目と目が合う。
その瞳は、ライラシティで炎の中俺を探しに来た時のシルヴァに、良く似ていた。
「ブラッド、良く聞きなさい。もしあなたが望むなら、今からあなたを「彼(か)の地」へと送ります。
そこには、シルヴァがいるはずです。
あなたが彼女を救いたければ、こちらに連れ戻すのです。」
「連れ戻せって…どうしたら、」
「それはあなた次第です。さあ、急いで決めて。どのみち私が闇の女神を止めていられる時間はそう長くはない…」
ドン!
薄暗がりの中からグレスティアが放った黒いギロチンの刃が飛び出して、すぐそばの地面に深々と突き刺さった。
雨脚を増した血の雨が目に入る。
それは確実に身体を蝕んでいるのが分かる。
風の刃が、柔らかい皮膚を容赦なく切り裂いて行く。
俺は、もうすぐ死ぬだろう。
ならば、
(せめて…あいつには生きていて欲しい。)
「ブラッド、行くの?」
頷く。
女神の瞳が、俺を叱咤しているような気がした。
彼女もゆっくりと頷いた。
そうして女神は俺の手にあった白金の剣を取ると、高々と天に掲げた。
「この者に、光の祝福があらんことを!」
瞬間。
俺の胸に、光を宿した女神の刃が突き刺さった。
暴風が巻き上げる血の霧の中を走ると、光の女神グレスティアは俺の腕を取った。
目と目が合う。
その瞳は、ライラシティで炎の中俺を探しに来た時のシルヴァに、良く似ていた。
「ブラッド、良く聞きなさい。もしあなたが望むなら、今からあなたを「彼(か)の地」へと送ります。
そこには、シルヴァがいるはずです。
あなたが彼女を救いたければ、こちらに連れ戻すのです。」
「連れ戻せって…どうしたら、」
「それはあなた次第です。さあ、急いで決めて。どのみち私が闇の女神を止めていられる時間はそう長くはない…」
ドン!
薄暗がりの中からグレスティアが放った黒いギロチンの刃が飛び出して、すぐそばの地面に深々と突き刺さった。
雨脚を増した血の雨が目に入る。
それは確実に身体を蝕んでいるのが分かる。
風の刃が、柔らかい皮膚を容赦なく切り裂いて行く。
俺は、もうすぐ死ぬだろう。
ならば、
(せめて…あいつには生きていて欲しい。)
「ブラッド、行くの?」
頷く。
女神の瞳が、俺を叱咤しているような気がした。
彼女もゆっくりと頷いた。
そうして女神は俺の手にあった白金の剣を取ると、高々と天に掲げた。
「この者に、光の祝福があらんことを!」
瞬間。
俺の胸に、光を宿した女神の刃が突き刺さった。