嘘だ、嘘だ。

悲劇の後の絶望から救い出してくれたと信頼していた上司が、本当はその悲劇を引き起こした張本人だったなんて。

体が、震えた。

「さあ、私が話すのは終わり。ブラッド、今から大事なことを聞くわ。」

小さく丸めた肩に、優しく手のひらが触れた。

「私は、あなたに全てを話した。

そして今、あなたは弱った彼を容易に殺めることができる。

さあ、ブラッド。選びなさい。」