ブラッド。

俺の瞳は血の色。

その不吉な色を恐れて、人は俺をブラッドと呼んだ。

俺は親父の顔を知らない。

物心ついたとき、俺は病弱なお袋と幼い妹と一緒に汚い路地裏で暮らしていた。

俺が20になった年。
お袋は死んだ。

だから、知らなかった。

自分が何者でどこから来たのか。これからどこへ行ったら良いのか。

俺が知っていたのは只ひとつ。

この忌まわしい血の色の瞳が、この世にあっては疎まれると言う事実だけ。

俺が職を手に入れたある日、仕事から帰ると妹は何者かに犯され狂っていた。

狂った妹は俺に牙を剥いた。

気が付くと、俺は妹を殺してしまっていた。

だから、ブライトに誘われるまま警察になった。

正義を着れば罪を償えると自分に言い聞かせて。

だが、今は闇の中にいる。