ブラッドは「ダメだこいつ」とでも言いたげに肩をすくめると、

懐を探って、私にくしゃりと歪んだ紙切れを差し出した。

私は、唇を噛み締めて彼の手からその紙をむしりとるように受け取った。

他人に面と向かって馬鹿呼ばわりされたのなんて初めてだ。

何この人、信じらんない!

むしゃくしゃしつつ紙を開くと、そこにはパソコンで打ち込まれた整った字が羅列していた。


<ローラ王国王子「バルベール」の異常行動について>


「今回の任務の話だが、」

そこで、ブラッドの声はかき消された。

突然、店内で男の叫び声が上がったからだ。