現実RPG2

「え?」


思わず、拓馬から疑問の声が漏れた。


なんとルイが、竜太の背中を切り裂いたのだ。


「え?え?」


わけがわからず、混乱する拓馬。


竜太は背中から血を吹き出すと、その場にバタリと倒れた。


「どうなってんだ?」


拓馬は再びルイを見た。


するとそこに居たのは、ルイではなくルカだった。


「え?ルカ?」


「大成功だね。私が、ルイに化けて家に突入したってわけ」


「何だ、そういうことか……びっくりさせんなよ」


ホッとする拓馬。ルカは、やっぱり味方だったのか。


「拓馬君……逃げろ……」


突然竜太が、苦しそうにボソッと拓馬に呟く。


「逃げろ?誰から?」


そう聞き返したとき、再びルカが倒れた竜太に切りかかった。


ザン!


その一撃で、竜太は完全に動かなくなった。


「ふー、なんとか倒せたね」


剣を腰にしまうルカ。


「ちょっと待てよ、こんなに簡単に倒せるんなら、わざわざ俺だけ一人で家に乗り込まなくても……」