夜もだいぶ更けてきた。


視界は悪くなる一方だと言うのに、腕時計のレーダーから一向にルカの姿が消えない。


なんてしつこいんだ……仕方ない、ここは一度、家に避難しよう。


ルイは住宅街に入ると、自宅を目指した。


マンションの階段を登り、三階へ到達すると、ドアを開けて中に入った。


「おかえり」


と、家の中から声が聞こえる。オヤジの声だ。


「ただいま」


ルイは鎧を脱ぐと、剣を置いて座った。


「お前、またそんな格好で外に出ていたのか」


オヤジがタメ息交じりに言う。


「しょうがねぇだろ。外でモンスターに遭ったらどうすんだよ」


「お前は剣に頼り過ぎなんだよ。男なら拳で戦え、拳で」


「うるせぇよ」


ルイは冷蔵庫を開けると、ペットボトルのお茶を取り出して喉を潤した。


「そんなことだから、たかが女なんかに勝てないんだよ」


ルカのことを言っているようだ。ルカのことは、オヤジもよく知っている。


ルイと幼馴染で、小さい頃はよく遊んだものだった。


しかしその頃から、喧嘩をしては負けていた。未だ、一度もルカには勝ったことがない。


「あ、そうだ。夕方、例の拓馬君が家に来たよ」


……何だと。