「ライトニング!」


拓馬が魔法を放つ。


ルカはそれをひらりと避け、ルイの腹部に蹴りをめり込ませた。


「ぐっ!」


ルイは苦痛の声を上げると同時に、左手をルカに向けた。


「ファイアーボール!」


炎の弾を飛ばすルイ。


それと同時に、ルカも手を広げる。


「リフレクト」


ルカの魔法で跳ね返った炎は、拓馬目掛けて飛んできた。


バン!


見事に肩に当たる拓馬。


見えなかったわけではないが、足元に居たクロをかばってモロに受けてしまった。


「うっ……」


ドサッと倒れる拓馬。


全身から、焦げたような臭いがする。


直接当たった肩の皮膚は焼かれ、ひどい火傷になっていた。


「くそっ……」


次第にヒリヒリと熱くなる患部。


体中が、燃えているように熱かった。


今さらだがルイの魔法は、やはり強大だった。


「おい、拓馬!のんびり寝てる場合じゃねぇ!」


キン!と剣が交わる音の中、朦朧とする意識を必死に堪え、拓馬は立ち上がった。


そうだ。ルイ一人では、ルカは倒せないと言っていたのだった。


拓馬は再び手をルカに向けると、言った。


「ライトニング!」


しかし、またしても避けるルカ。


ルイと剣を交えながら拓馬の魔法を避け、さらにルイを圧している。


強い……ダメだ、勝てるのか……?