「う~む…。何が良いんだろうな」

わたしはお菓子の本を見ながら、思わず眉をしかめる。

わたしには恋人がいる。

その…同性の、女の子の恋人だが。

家が隣同士の幼馴染で、告白は彼女の方からだった。

わたしのように引っ込み思案で固い性格とは違い、彼女は明るく奔放だった。

彼女のおかげで、わたしは一人にならずに済んだ。

だから彼女から告白された時も、嬉しかった。

男女問わず人気がある彼女が、わたしのことを1番好きだって言ってくれたことが…。

恋人になって最初のバレンタイン。

毎年、何かしらチョコレート菓子を作ってあげてはいたけれど、恋人ともなればまた話は別!

本屋でバレンタイン特集のお菓子の本を買って、家に帰って熟読するも…何にしたらいいか、迷いっぱなしだ。

…いっそ本人に直接聞いてみようか?