「これで終わりかな?」

『はい!先輩疲れてるのに、ありがとうございました』

頭を下げて言う。

「良いって。クッキーのお礼。美味しかったよ!ごちそうさま」

『いえ…。じゃあ私、モップ片付けとくんで、本当にありがとうございました』

もう一度お礼を言うとモップをしまう為に先輩に背を向け歩き出す。

「あっ!佐々木!」

後ろから先輩に呼び止められ振り向く。

『はい?』

先輩が私の横に立ち私の顔の高さまで屈むと、耳元で……

「来年は、俺だけのために作ってよ…』

そう、囁いた……。
――バタン!

思わず落とすモップ……。