いつの間にか開いていたドア。 次に、カラ…と、静かに閉まる。 『婁…唯…?』 もう1度、名前を呼んだ。 意味は、ないかもしれないけど。 何故呼んだのかは…自分にも分からなくて。 「何だよ…。」 私は、霞む視界に婁唯の姿をとらえた。 『来て…くれたんだ…』 目の前にいる婁唯に縋るように、そっと手を伸ばした。 「当たり前だろ?」 そういって、私の手を握り返してくれた婁唯。