「じゃ、行くかぁ~…」

支葵も、大きく伸びをして立ち上がった。


それと同時に、私も立ち上がる。




『?俊、行こう?』

「ん。」



立ち上がらない俊に私が呼びかけると、俊はゆっくりと立ち上がった。




「先、行ってて?」

『?分かった。遅れないでよ?』

「大丈夫だから。」




何故屋上に残るのか理由も分からないまま、私は俊に背を向けた。


いつのまにか海琉と支葵は先に屋上のドアを開け、もう出て行くところだった。



『ちょっ…!』



と待ってよ!


続けてそう言い、2人の後を追おうとした。




その時だった――――……






『え?』






俊に手を握られ、私は俊に引き止められる状態となった。





「行くな…。」