『…しゅ……ん…?』


あまりにも大きな声に、争っていた3人が動きを止めた。
私も、大声なんてはじめて聞いたから…
正直今超驚いている。


「穂乃歌の前で喧嘩とか…やめてくんない?」



急に落ち着きを取り戻した俊の声。


私は張り詰めていた糸が切れたかのように、安心を取り戻した。



「大丈夫か?」



俊は私の前に立った。



『う…ん。ありがとう…』




大丈夫だけど…
喧嘩なんて見たの、初めてで…



怖かった…



「穂乃歌、ごめん。
守ろうとしたんだけど、逆に怖がらせたな…。」


和哉君…



和哉君は申し訳なさそうに私に謝った。



『大丈…』


大丈夫だよ。そう言おうとした。


でもその言葉は―――…





「そう思うなら、初めからするな。
穂乃歌を傷つけることだけは、何尾とであろうと許さない。」





俊の言葉によってかき消された―――……