制服を脱ぎ、正装をする。


髪もメイクも、きちんと。




それが礼儀。

それが誠意。






トントン、





と、耳に入ったノック音。



「入っていいか…?」

『うん。』





その声に、少しだけ顔が緩んだ反面、緊張を覚えた。




『支葵…どうしたの?』




もし支葵に家の者が手荒なまねをしたら、私が許さない。







「…………」

『支葵? …っん…』








不意にされたキスに、どう反応していいか少し戸惑う。


けれど、受け入れるのは簡単だ。




私は支葵に身をゆだねた。