“執事をやめる覚悟はできている”
バカな私はその言葉の意味を…
支葵が私から、私たちから離れていく…
なんて、マイナスペクトルに考えて。
私のことを想ってくれていたことも知らずに。
今なら、素直にその言葉に喜べる。
支葵…こんなにも人を愛しいと感じたのは、初めてだよ。
「…貴方たちには参りましたね……
私は空海家のもの。
これ以上凛城家の方のご迷惑にもなりたくありません。
私は、龍様の言う通り、奥様のお傍へ戻ることにいたします。
この度の無礼、本当に申し訳ございません…。」
彩乃さんは深々と頭を下げた。
『…分かってくれたのなら、それで十分よ。
ありがとう。』

