淡々と私たちのほうへと近づいてくる、彼…
その姿が、あまりにも堂々と、凛々しかく、思わず見とれてしまった。
「龍様、ですが穂乃歌様は龍様の…!」
「大切な女だよ…」
「……」
大切な、女…
その言葉に、不覚にもときめいてしまった。
隣には、少しだけ不機嫌そうな支葵の顔。
怒るのも、時間の問題かな…
…もう、怒ってる…かなぁ?
「私は、幼少の頃からずっと、空海家のものとして、誠心誠意つくして参りました…。」
「俺も、彩乃がどれだけ空海の為に努力してくれたか分かってる。
だけど、これは…この問題は…
空海の問題じゃなく、
俺と、穂乃歌の問題だ…
俺が勝手に穂乃歌に惚れて、欲しいと願った…。
この話に、彩乃…お前の力は不必要だ。
お前は、母さんの傍に居てやってくれ…
今頃、話し相手が居なくなって困ってるんじゃないのか…?」
やさしい顔して、そんな格好いいこと言うなんて、なんだかズルイな…
言葉に、キモチが入りすぎていて…
私と支葵が今から何をしようとしていたのか…
そのことを考えると、少しだけ胸が痛んだ。
けれど、龍が私と龍の問題というのなら…
私がどんな答えを出しても…龍に受け入れて欲しい…。

