彩乃さんは…
空海側の人間。
そして、私と龍の結婚を望んでいる人…
空海の繁栄に、そこまでこだわるなんて…
「なりませんよ…?
穂乃歌様のお相手は、龍様。
違いますか…?」
『…誰も結婚するとも、婚約するとも言ってないわ…』
「婚姻届。
私が届けたはずですが…?」
微かに、支葵の顔に暗みがかかった。
『あれは…
お母様と空海の奥様が急ぎすぎているだけよ…
私の意志とは、関係ないわ。』
「……そこにいらっしゃる方は、執事でしょう?
本来、お嬢様に黙って付き従っていれば良い存在が…どうして…?」
『私が愛しているから。
私を愛してくれたから…!』
「その愛が、永遠だとでも…?」
『永遠よ。
神と、私と、支葵に誓うわ。』
もう絶対に、1度たりとも離れたりなんかしない。
心は、必ずつなぎとめる。
「やめろ彩乃!」
「……!」
少し離れた場所から聞こえた、声。
彩乃さんは目を見開いた…。
『龍……』

