誰でもいいからぁッ
この変態を帰らせてッ!

私に気づいたのか、
1人、1歩前にスッと出た。


「そろそろ帰られたほうがよろしいかと。」

『海琉!』


ありがとう海琉!
救世主!

これで婁唯が帰るかな…


「なんで、執事に言われなきゃなんねぇの?」


…執事って言っても、アンタの1個上ですよー?
まぁ、立場上関係ないかな?


海琉はまた1歩出て、私座っているところの隣に立った。


「私達は、穂乃歌お嬢様の執事です。
お嬢様がお困りの様なので、助ける権利があります。」


海琉がカッコイイこと言ってるッ!
言っちゃ失礼だけど、貴重かも?

でも…やっぱカッコイイかも。


「へぇ?穂乃歌が困っているのは、俺が原因って言いたい訳?」

「婁唯様ご自身も、お気づきかと。」


凄い…
婁唯に言葉で対等に争えるなんてッ!
尊敬するっ!


「…お言葉ですが……」

『俊?』


今日2度目に口を開いた俊。
海琉の隣に並ぶとこう言った。


「我々執事の大切なお嬢様が困られております。
婁唯様にとっても大切な人であるなら、帰られたほうがよろしいかと。」


…格好良い……。

脈打つのが早まっていくのが分かる。


執事の時の皆って、格好よすぎるんだよ…



「同感ですね…」

『支葵!』


支葵もまた、2人の隣に並び、婁唯に言葉を投げた。