「そぉ?もったいないわねぇ…」


母は渋々とした表情を浮かべた。


『だってお母様ッ!私だって高校2年生よッ!
なのにそんな、お年のとった男性と24時間共になんてできないわよ!』


お嬢様ってよく言われるけど…
それほど頭も良くないし、言葉使いも良くはない。


「あはははッ!おっかしぃわね、穂乃歌ったら♪」

『え…?』


母は自慢げに話した。


「執事クンはあなたと同い年よ♪
それに超イケメンよぉ♪王子様ーって感じ☆」


『えッ?』

「あー!ちょっと食いついた♪」

『食いついてなんかッ!』


いや、ちょっと食いついたかも…。

だってだってだって!


ずっと憧れてたんだもん♪
カッコ良くて、紳士的な王子様♪
たとえ執事でも…嬉しいじゃない?

「入っていいわよ♪」


母の声を合図に、黒のスーツを纏った人が入ってくる。