「…俺もお前も、結婚できる年。
親同士が勝手決めたんだろ…。」
この紙に、自分の名前書いて…?
印押して…?
空海に嫁入り…?
「…俺は、穂乃歌ならしてもいいと思っている。
それにもう、その紙には俺の名前も入っている。
あとは、穂乃歌だけ。」
龍は、少しだけ悲しそうな、それでもやさしく笑って…
アナタはどうして、そんな顔で私を見るの…?
そんな、やさしい目で、
愛しそうな目で。
でもどうして…
そんなにも悲しそうなの…?
「無理に結婚しろなんて誰も言ってないよ。」
龍は私の頭にポン、と手を置いて部屋を後にした。
頭の上だけが、なんだか温かい…。

