―――……

『なんでここに来たのよ…』


ホント憂鬱。
なんでコイツが居るのぉ~…


「そりゃぁ、穂乃歌に会いたかったから?」

『……あ、そ。』


ニコニコと楽しげに喋るコイツ。

この家に住むようになって、
少しの間でも会わずにすむと思ってたのに…
ものの1週間でその希望が崩された。


『てゆーか、くっつかないでよ…』

「ヤ・ダ☆」


いきなり「会いたかったぜ!」
とか言って玄関で抱きつかれて、
離れたと思ったら今度はソファの隣にペッタリくっついて座ってるし…
超ウザイー…


『暑苦しいッ』

「おれは気分いい♪」

『…。』

言葉で勝てた事は…
記憶上1度もない。

私が弱いだけなのか…?


「てゆーか冷たいなぁ、穂乃歌ー。
実の弟じゃーん♪」

『あんたみたいな弟もった覚えないわよ…』


そう、この超ウザ変態宇宙人は私の1個下の弟。

凛城 婁唯(りんじょう るい)
15歳。重度のシスコン。
顔はいいが性格は面倒くさい。
顔がいいのに女に興味ナシ。
姉の私に付きまとってくる最悪な男。

俊が徐に口を開いた。

「婁唯様、何故突然こちらにいらしたのですか?」

私も知りたい…

「んー?俺、穂乃歌と同じガッコに通うから、挨拶ーみたいなー♪」

『はぁ!?』

同じ学校!?
みたいなー♪じゃないよぉッ!

入学式は…3週間後…
3週間後には同じ学校…

まって…?

『婁唯…何処に住むつもり……?』