スッと足を出し、そのまま淡々と歩き出す和哉君。
私は後を追い、半歩後ろを歩く。
不意に、追っていたその足が止まり、私のほうを向く。
見上げると、ずっと合わせられなかった視線が絡み付く。
『な、に?』
「なんで後ろ歩いてんの?」
『へッ?…えっと、その…。』
だっさぁ、私…
超しどろもどろなんですけどー…
再度落とした視線。
その視界に和哉君の手がはいる。
瞬間、ギュッと柔らかく握られた手。
「それじゃ今日の意味がないだろ?
今日は特別なんだから。
俺のこと、恋人とでも思っとけよ。」
いくぞ。
そう言って前を向きなおし歩き始める和哉君。
今日、初めて見た笑顔。
柔らかな、握られたてと同じ様に温かい…。
……今日の意味?
特別……?
……オミアイ?
恋人ぉッ!?
『和哉君ッ!あのッ!
恋人って…どゆ意味ですかッ?』
「そーゆー意味。」
和哉君はクスクスと笑った。
変だなぁ…
さっきまで重かったはずの心が軽い。

