狼執事とお嬢様♡

【俊】


行くな。行くな、行くな。


心の中でどんなに叫んでも、穂乃歌は考えをやめてはくれないだろう。


だから俺は、家を出る前に穂乃歌に気持ちをぶつけたんだ。


その気持ちが、届いていないなんて思ってない。

ただ…



穂乃歌の心を動かすことが難しすぎた。


そんな簡単に心変わりするなんて思っても無かったけど。

1%の可能性を信じてた。



支葵の許へお前の心がいくことに、俺は反対も賛成もしない。

肯定も、否定も、何も。


ただ俺は、穂乃歌を愛すよ、これからも。




今はただ、支葵に預けているだけだ。


そのうち…絶対穂乃歌の心を手に入れる。

そう、思っていた。ずっと。



でも今、状況は変わった。

見合い…?


バカなこと言うなよ。


これには、反対してもいいだろ?


なぁ、穂乃歌…行くな。
行かないでくれ。


穂乃歌の心も、体も俺のもんにはならなくても…

傍にいてくれるだけでも俺は少しの幸福感を感じていた。



なのに、離れていく…

愛しい人が。



俺は愛しい人を手放すようなどっかのバカ男とは違う。


愛してる。だから…行かないでくれ。



穂乃歌…